邦画

「おくりびと」

映画「おくりびと」を見た。
良かった。

映像もきれいだし、役者(本木、山崎努、広末など)もいいし、内容も胸に染みた。

 

「死」の扱い方

この話はチェロ奏者だった主人公(本木)が、オーケストラの解散によって職を失い、故郷に帰り、たまたま求人で見つけた会社が納棺の業者で、そのまま納棺の仕事をするようになる......というストーリー。

そのなかに様々な「死」のエピソードがあり、ひとつひとつの「死」が心に迫ってくる。

 

ただ、「死」が中心にありながらも、決して湿っぽくならないところが、この映画の魅力かもしれない。

映画のなか、たくさんの「死」に触れていると、「死」というのが、日常からかけ離れたところにある特別で忌み嫌うべきものではなく、生活のなかに自然に存在するものであると、すっと受け入れられるようになってくる。

そういう「死」の扱い方は、とても良かった。

 

天職について

ただ、この映画の本当のテーマは、「死」ではなく、「天職」というところにあるのかな、なんてことを思ったりもした。

 

主人公はずっとプロのチェロ奏者としてやっていくことを「夢」だと思っていたけれど、オーケストラが解散し、チェロを手放したとき、「それは夢ではなかったのかもしれない」と呟く。

そして、今までそんな職業があることも知らず、自分の意思で申し込んだわけでもない納棺の仕事に、次第に魅力を感じ始め、これこそが自分の仕事だと思うようになる。

 

自分の意思ではないからこそ、神の導いた「天職」だということもできるかもしれないけれど、この映画を見ていて、「その仕事にやるべき価値を見いだし、自分がその仕事をすることに誇りを感じられたら、それはもう、天職なんだ」ということなのではないかと思った。

どんな職業であっても、自分の仕事に誇りを持っている人は強いし、かっこいい。

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