映画(さ行)

映画「そして父になる」

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 是枝監督の作品は結構好きで、タイミングが合えば見に行くのだけれど、この作品は是枝監督のテイストとテーマが上手く合致した、特にいい作品だったと思う。
 

ストーリーは簡単に説明すると……

 福山雅治演じる父親(仕事ができ、一流企業でバリバリ働く”成功者”。高層マンションの上階に住み、レクサスに乗っているという典型的な男性)の6歳になる息子が、実は病院で取り違えられたまったくの”他人”であったと、ある日唐突に病院から知らされる。
 
 実の息子の方を育てていた家族と会うと、向こうは、リリー・フランキー演じる父親と母親、3人の子供という賑やかな一家だった。父親は小さな電気屋を営んでいて、仕事をしながらも子供とも遊び、5人でわいわい過ごしているような家庭。
 
 それぞれの父親・母親は、お互いの本当の子供を家に交換で泊めさせてみたり、一緒に遊ばせたりしたあと、血のつながった”本当の子供”をそれぞれ自分の子供として今後は育てていくという決意をする。でも……。
 
 という感じの内容。
 
 

血なのか時間なのか?

 現実にも先日、60歳の男性が実は自分は病院で取り違えられていたと判り、裁判を起こしたというニュースがあったけれど、本当に難しい話……。
 
 映画を見ているときには、個人的には「血」よりも6年間という「時間」のほうがずっと重いはずだと思ったけれど、実際には、「血」の影響というのは、思う以上に強いのだろうか(実際裁判になった例では、訴えを起こした男性の血のつながった本当の弟3人(別のところで育てられた面識のない3人)が、一緒に育ってきた兄に対して違和感を抱き続け、DNA鑑定をして血のつながりがないことが発覚した、というから)。
 
 ただこの映画が良かったのは、取り違い事件が実は物語の中心ではないところだと思う。
 
 是枝さんが書きたかったのは、タイトル通り、福山雅治演じる父親が、その事件をきっかけに本当に「父になる」ところ。
 
 一見いい加減に見えるリリーさん演じる向こうの家の父親が、福山雅治演じる父親に、「結局は(一緒に過ごした)時間だよ」「父親業というのも、他の人には代れない重要な仕事だと思うけどね」など、さらりと伝える言葉が、良かった。
 
 ラストも心にぐっと来て、感動できる。
 
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