創作小説

「紫のガラス」

紫のガラス 4-2【完結】

2024/12/13  

※1-1から始まっています。    作品は仕上がったのに、搬入は予定より一週間ほど延びた。先生が事務局にそう頼んで欲しいと後から言ってきたのだ。当初は小学校での展示が休みになる月曜日に設置する予定だっ ...

「紫のガラス」

紫のガラス 4-1

2024/12/10  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    今回、制作期間が限られていたから、制作の段階から新井さんに手伝ってもらうことになった。多分、私が頼む前に、先生がそこもこっそり依頼していたのだろ ...

「紫のガラス」

紫のガラス 3-5

2024/12/6  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    そんなふうに人の作品を見て回るだけで、その日は暮れた。  翌日私は再びアデルさんを訪ねたが、二階の教室にアデルさんの姿はなかった。ただその日はと ...

「紫のガラス」

紫のガラス 3-4

2024/12/3  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    美大を卒業した私は、最初、画廊に就職した。一応、正社員という形だったが、オーナーが手の回らない雑用を一手に引き受けるアシスタント的な仕事だった。 ...

「紫のガラス」

紫のガラス 3-3

2024/11/29  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    その日は音楽室で少し新しいデザイン案を描いてみたものの、“これで完璧”と思える仕上がりには程遠かった。それで軽く昼を食べてからは、他の教室を回っ ...

「紫のガラス」

紫のガラス 3-2

2024/11/26  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    トリエンナーレ開幕まで一週間を切ったせいだろうか、学校に近づくと、二日前には感じられなかった熱気が校舎全体から漏れ出てきているのを感じ、驚いた。 ...

「紫のガラス」

紫のガラス 3-1

2024/11/22  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    翌日再び小学校に出向き、デザインを仕上げた私は東京に戻り、翌日、工房へ行った。工房は、正式には「白糸ガラスアートデザイン」という“会社”なのだけ ...

「紫のガラス」

紫のガラス 2-2

2024/11/19  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    デザインが決まるまでは工房へ戻らなくてもいいと言われ、私は近くに泊まることにする。新井さんは予定通り今日帰るそうだが、特別急ぐ仕事もないから、夜 ...

「紫のガラス」

紫のガラス 2-1

2024/11/15  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新    ここは東京から車で三時間ほど掛る“里山”的な場所で、山と畑と田んぼの多い田舎だ。ただこの湖はちょっとした観光スポットになっていて、全周一キロに満 ...

「紫のガラス」

紫のガラス 1-2

2024/11/12  

※1-1から始まっています。※火曜日・金曜日更新   「最近、遼くんとは連絡している?」  急に背後から問われ、私は慌てて振り返る。 「え? 全然ですよ。新井さんは?」 「もちろん、俺は全然。……小田 ...

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