3月に関西に行った時、京都で雪舟展があるという吊り広告を見、思わず滞在を延長しようかと思ってしまいまったけれど、その後上野にも来てくれた。
ただ思ったより、雪舟本人の作品より、他の水墨画家の方が良かった。
私の個人的な好みとしては、なんとなく全体的にぼんやりとした間があるのがいいなと思う。
あえて空白を多くとって、人に何かを考えさせること。それって、案外どんな表現にも必要なのだけれど、でもなかなかできないことでもある。省きすぎて、何も伝わらなくてもいけないし、そのぎりぎりのところにひかれてしまう。
あと、雪舟の後半生の作品はかなりなくなってしまったらしく、狩野永徳などの写しのようなものがあったけれど、それもよかった。
余計なものがそぎおとされ、抽象絵画のようになっていく。そういうのが人生の深みだと思い、そういうものを見ると、年をとるのが楽しみになりそうでもある。