小説の書き方本

「ベストセラー小説の書き方」ディーン・R・クーンツ

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 最近少しばかりスランプ気味。というか、自分の作品には何かが足りないとか、もっと上手く書く技術があるはずだという思いにとらわれている。

 で、久しぶりに小説の書き方の本を手に取ってみた。そういうたぐいの本は今までに10冊近く多分読んできたし、もう今更と思っていたのだけれど。

 でも、これは本当にためになった。

 この本は、エンターテイメント(特にSFやミステリー)の書き方についてのものなので、「○○に気をつけないと、独りよがりの純文学のような作品になってしまう」というように、「純文学」を書こうとしている人間には受け入れられないところもあるのだけれど、それでも私はこれを「良い本」と言い切る。自分は純文学を書くのだと言っている人にこそ読ませたいと思うくらい。

 純文学を目指している人ほど、変に意固地になって、「売れなくてもいい」とか、「自分のために書いているのだから、読者が楽しめなくてもいい」というように言い、どんどん自分の殻にこもっていってしまう気がするから。……と、これは自分自身への反省もこめて書いているのだけれど。

 この本は、プロットの立て方・出だしの書き方・登場人物の作り方・背景描写・文体など、思いつく限りの項目についてきちんと触れ、それを例を挙げながらきちんと説明している、とても親切で優しい本だ。

 ただ、まったく小説を書いたことのない、本当の初心者にはこの本の良さは分からないかもしれない。何作か書きながら、なにか行き詰まった感のある、そういうレベルの人にこそ読んでもらいたいもの。

 たくさんの項目について説明してもらう中で、自分に欠けているもの、自分がもっと磨かなくてはいけないものが何なのかが、少しずつ見えてくる。そして、「一から出直したい」という気分にさせてくれる(これはいいこと?(笑))。

  私自身は、「初めの三枚で勝負する」「アクションを起こさせる」「会話はリアリティよりストーリーに必要なことにしぼることを優先する」「形容詞を一つでも減らす(少ない数でも強い力を持つ言葉を選ぶ)」などなど、本当に多くのことを学んだ。この中のいくつかは小説仲間にも前から言われたことのあることだったけれど、クーンツさんに例文つきで言われると、とっても説得力があった(小説仲間の説明に説得力がないと言っているわけではないです!)

 図書館で借りた本なのに付箋だらけになってしまった。ちゃんと本屋で買って、付箋を貼り直さないと。

 具体的な指針にもなったけれど、小説を書くためにはこんなにも多くのことに気を遣い、これだけ神経や時間を割かなくてはいけないのだという、「姿勢」の部分でも学ぶものが多かった。努力しているつもりで、私はまったく努力が足りていなかったなと、反省した。休みの日は一日8時間は小説を書け、とクーンツさんは言っている。一日1,2時間しか書いていない私には驚きだ。でも、確かにそれくらいしないとだめかもしれない。
自分の甘さを痛感しました!

「一生懸命書いているのにどうしてデビューできないのだろう。運がないのだろうか」と嘆いている方は、これを読んで自分自身を見直してみるといいかもしれません!

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