劇団ひとりの同名小説の映画化作品。
劇団ひとりの一冊目の小説『陰日向に咲く』も上手いなぁと思い、次の小説も読もうと思っていたのだけれど、読めていなかった💦
ので、映画がAmazonPrimeにあったので見てみた。
Contents
簡単なあらすじ
物語の内容を簡単に書くと、
大泉洋演じる冴えないマジシャンが主人公。
場末のマジックバーで働くものの、お金にはいつも困り、安いアパートに暮らす生活をしている。
同じバーで働いていた後輩マジシャンはテレビの世界で活躍するほど人気なのに、自分は売れない。
主人公が子どもの頃に父親が女を作り、母親が出て行き、中学の頃家を出てから、父親とも連絡を取っていない。
そんな主人公の元に、警察から、父親の遺体が川べりで見つかったという連絡が入る。
どうやらホームレスになり、暮らしていた川べりで脳溢血で亡くなったらしい。
というところから物語は始まる。
で川べりで突然の「晴天の霹靂」。
つまり、良く晴れた日なのに、突然その場にだけ雷が落ち、主人公は過去に飛ばされる。
そして自分が産まれる前の父と母に出会う。
という、ちょっと『バックトゥザフューチャー』の要素も入れたのかな? というストーリー展開。
構成・キャラクター・テンポがいい
“主人公が雷に打たれたショックで自分が産まれる前の時代にタイムスリップする”というあらすじだけだと、ありがちな感じはする。
ただ本当、お笑い芸人の作品。
キャラクターの描き方も上手いし、ストーリーの進め方が秀逸。
さりげなく細かい伏線が色々なところに貼られていて、いいところで美味しく回収されていく。
価値がないと思っていた過去が、美しく塗り替えられていく様は、純粋に感動的。
あまり書いてしまうとネタバレになっちゃうので控えるけれど、本当、父親・母親・主人公三人の関係性の描き方が良かった。
かなり心にぐっと来た。
特に、こういうストーリーの場合、最後はどうまとめるのだろう、というのが気になるところなのだけれど、終わらせ方が素晴らしかった。
無理にきれいに片づけないけれど、しっかり感動の余韻は残す。さすが!!
多才すぎるだろ!
と、「演出もいいなぁ」と思ったら、エンドロール最後に「監督 劇団ひとり」の文字。
劇団ひとりは、主人公の父親役もしているのだけれど、「原作」「出演(メインに近い役)」+「監督」までやっているのか~と驚く。
(脚本も「劇団ひとり・橋部敦子」とある)
純粋に才能に嫉妬。
映画紹介の文章には「笑いと、たぶん一粒の涙の物語」とあるけれど、結構泣けた。
力入れず見られるので、ちょっとした退屈や淋しさを感じたときに見て欲しい。
『青天の霹靂』