東野さんの「鳥人計画」を読んだ。
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幅が広い
東野さんの作品は、5,6作は読んでいると思うけれど、それでは1割にもならない。
本当、すごい勢いで書いている人だと思う。
そうやってたくさん書いているからなのか、東野さんの作品は、幅が広い。
いや、幅が広いから、これだけたくさん書けるのか......?
独特の世界観は弱い
ただ、この作品はちょっと、自分が期待していた東野作品ではなかったな。
なんていうか、「いわゆる、昔からあるミステリー作品」という感じ。
もちろんそのなかにも、緻密な描写あり、ミスリードあり......なんだけど......う~ん。
途中で、「あれ、似た名前のほかの人の作品を買っちゃったのかな?」と不安になるくらいだった。
私の持っている東野作品、というのが偏ったイメージなのかもしれないけれど......
「白夜行」や「幻夜」のあの世界観があってこそ、一流の作家、という気がする。
オリジナルで心地よい世界観
ただ、これを読んだことによって、自分が「読書」であるとか、好きな作家に求めているものが、また見えてきて、良かった。
やはり決して、トリックであるとか、どんでん返し、ではないな。自分が小説に求めているのは。
それは、「あればあったでいい」という、添え物なんだな。
大事なのはあくまでオリジナルで、心地よい世界観
......なんて、人のこと言っているまえに、自分の作品も書かないとね。
鳥人計画 (角川文庫) 東野 圭吾
角川書店 2003-08 |