以前からなんとなく気になっていたものの、読まずにいた本を今回初めて読んだ。 すごい作品だな、と思った。 物語全体の基調となっているのは、淡々とした静けさなのだけれど、その奥に確固たるエネルギーみたいなものを感じる作品だっ […]
小説レビュー
恩田陸『祝祭と予感』
直木賞と本屋大賞のW受賞を果たした『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ短編集。 あくまで「スピンオフ」。続編ではない。……ということが分かっていたら、買わなかったかも(私の予備知識不足)。 『蜜蜂と遠雷』自体も評価が分かれてい […]
伊坂幸太郎「クジラアタマの王様」
久しぶりに伊坂さんの小説を読んだ気がする。 数年前に何作か長編を読み始めて挫折してから、ちょっと遠ざかっていたのだけど、これは本当、面白かった!!! 3分の1くらいまで読んでからは、この小説の世界観が理解でき、そこから先 […]
瀬尾まいこ「そしてバントは渡された」:2019年本屋大賞
瀬尾さんの本は以前から好きでよく読んでいるけれど、ついに本屋大賞かぁ、となんか感慨深い。 一応、瀬尾さんは「坊っちゃん文学賞」受賞の先輩。 私も続くぞ! なんて思いたいけど、瀬尾さんは本当、デビュー作から、普通の「新人」 […]
窪美澄「水やりはいつも深夜だけど」
レビューにはまだ2作品しか載せていなかったようだけど、窪さんの本はかなり読んでいる。 ちょっと心が痛くなるのだけれど、最後には嘘くさくない救いもあって、そのバランスが、とても好み。 勝手な分類では、角田光代さんに近い […]
嶽本野ばら「ミシン」再読:自分の信じる世界を貫け
野ばらさんの作品、もうずっと読んでいなかった。今回サイトリニューアルをするにあたって、過去記事を読み返していて、「あぁそうだ、私は野ばらさんのファンだったんだ」と思い出した(おいおい)。 サイン会にも3回くらい行った […]
角田光代「坂の途中の家」
ドラマ化もされている作品。 あらすじ 簡単にまとめると、産まれて間もない子供を虐待して殺した罪に問われた女性の裁判員裁判の話。 その裁判の補充裁判員になった3歳の娘を持つ女性が、被告の女性と自分を重ね合わせていく……とい […]
平野啓一郎「マチネの終わりに」
映画化もされているけれど、私は本で読んでみた。 ジャンル分けをすれば「恋愛小説」 天才クラッシックギタリスト(男性)と国際ジャーナリスト(女性)。“様々なことを経験し、社会での地位も確立してきた40代”の出会い、恋愛、 […]
桜木紫乃『起終点駅』:「覚悟」があるものだけが、伝わる
最近、桜木紫乃さんの小説が好き。 世界観というか、小説のなかを流れる空気感が心地よい。
宮下奈都「羊と鋼の森」:ピアノ調律師の仕事
遅ればせながら、「羊と鋼の森」を読みました。 話題になった本なので気になっていたのですが、2016年の本屋大賞受賞作だったのですね。 私は2017年本屋大賞受賞作の「蜜蜂と遠雷」から読んでしまいましたが、「蜜蜂と遠雷」を […]