東野圭吾

東野圭吾「殺人の門」

決して前向きな明るい話ではなく、どちらかというと、暗い気持ちになってしまうような話なのだけれど、それでも、ぐいぐい先へ先へひっぱっていく物語の力に導かれ、非常に楽しく読めた本だった。

 

人はどんなとき人を殺すのか?

テーマは、「人はどんなとき、人を殺すのか」。

主人公は子供の頃からそんな「人を殺す心理」に興味を持つ。

彼が、唯一継続して殺意を感じるのは、小学校時代からの「友達」だった。

この小説のストーリーの核は、結局主人公はその「友達」を殺すのか。

 

でもこの「友達」、相当な曲者。

非常に小賢しい。

ただ、非常にむかつく奴で、主人公の人生はそいつの存在のせいで、何度も狂わせられるので、読者もその「友達」に殺意に近いものを感じたりするのだけれど、それでもどこか憎みきれない、少し複雑なキャラクターが、非常に巧みに描かれている。

 

緻密に組み立てられた作品

細かい部分まで気を遣って、精密に組み立てられている作品だった。

私は、基本的には、もっと人の善意を信じられるような作品のほうが好きだけれど、こういう作品は、はらはらしながら楽しんで読めていい。

先が気になる小説が手元にあるときは幸せだ。

 

そして、こういう、人物を細かく丁寧に書き出した、ストーリーより人物に重きを置いた小説を読むと、しばらくその登場人物たちのことが、読み終えたあとも気になり続けてしまう。

殺人の門 (角川文庫)殺人の門 (角川文庫)

 

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