まだ予算がなかったときから、飼育員など動物園のスタッフがお金がなくてもできることを考え、深夜まで話し合い、「夢のスケッチ」を書いていったということで、初めに14枚のスケッチが紹介されている。
それを見るだけで素敵だな、と思うのだけれど、次の章で、旭川市の市長が替わり、園長が新市長に動物園の改修に予算をもらうべく説得に通う場面がある。
当時の園長自身もすごい人だったのだと思うけれど、きっとこういう「いざ」っていうときに、それまで実現は不可能だろうと想いながらも夢を持って描いていた「スケッチ」が役立ったんじゃないかな、と思え、それが良かった。
旭山動物園のつくり方 (文春文庫PLUS) 原子 禅 亀畑 清隆
文藝春秋 2006-12 |