それ以外の本

ケリー・マクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」

最近ベストセラーになっている本を読んでみた。

 

思考の癖を紹介し、意志を強くする方法を伝授する本

内容は「意志の力」についてだということで、「もっとこういう形で努力しろ」という疲れる系の自己啓発本かと身構えていたけれど、想像とはかなり違った内容だった。

努力しろという精神論ではなく、"人間にはこういう思考の癖があるから、誘惑に負けないためには、こういう工夫をするといい"というようなことを、多くの実験結果とともに科学的に教えてくれている。

 

自分自身が「禁煙したい」「ダイエットしたい」等々、意志力のチャレンジの問題を抱えている人はもちろん、子供の意志力を育てたい人とか、研修講師や教師など人のやる気を引き出さなくてはいけない仕事をしている人にもお勧め。

実際にここに出てくる手法を試してみるのも大事だと思うけれど、一通り読んで、人間の意志力の特性を把握しておくだけでも、色々な場面で役に立ちそうだ。

 

特に印象に残った個所

特に印象に残った部分をいくつか紹介......

★「いいことをした」と思った人は、次にちょっと悪いことをしたくなる

たとえばある目標のために頑張っている人は、「目標の達成に向けて、自分でどれくらい進歩したと思いますか?」と聞かれ、自分の頑張りの成果を実感すると、翌日は"がんばっている自分へのごほうび"として、その努力をさぼってしまう傾向がある。

また、カロリーの高いバーガー屋に、ヘルシーなサラダメニューを追加すると、健康的なサラダがあると認識しただけで、客は安心してしまって、いつもよりさらにカロリーの高いバーガーを注文する確率が増える。

 

★意志力というのは、筋肉のようなもの。エクササイズによって鍛えられる。

2週間、利き手ではないほうの手を使って食事や歯磨きをしたり、ドアを開けたりするように支持され、実行した人たちは、パートナーに対してかっとすることが減った。

 

★恐怖を感じたとき、人は安心感や安らぎを与えてくれるものにすがりつく

死亡の危険をうたう煙草のパッケージは、喫煙者の喫煙量を増やしてしまう。

人が死亡したニュースをテレビで見た視聴者は、高級車やロレックスの時計など、ぜいたく品を買いたくなる。また、スーパーの買い物客に、自分の死について考えてもらった後に買い物をしてもらう実験では、普段より買い物リストが増えた。

 

★将来の自分と現在の自分が密接につながっていると感じている人は、貯金が多い

年老いた自分のアバターと出会う経験をしたあとの人に、お金の使い道を聞くと、他の人よりも「退職金口座に入れる」とした金額が増えた。

 

★シロクマのことは考えるな、と言われると、どうしてもシロクマのことを考えてしまう

ダイエット中の人は、お菓子のことを考えないようにしようと思考を抑圧するが、それが逆にお菓子への衝動を強めてしまう。
思考を抑圧するより、今の自分の正直な気持ちをありのまま眺め、観察するようにしたほうが、誘惑には負けなくなる。

スタンフォードの自分を変える教室スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル 神崎 朗子

 

大和書房 2012-10-20
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