こちらもAmazonで高評価(4.6)だった作品。
あまり恋愛ものは見ないのだけど、これは本当、良かった!
恋愛ものが苦手なのは、うじうじ、もやもやな感じとか、進んだと思ったら戻るみたいなもどかしさがあまり好きでないから。
この作品は、そんな「恋愛もの」のイメージを覆す、スピード感とリズム感、爽やかさが、とても良かった。
うじうじ、もやもやな感じも後半少し出てきたりするけど(ただ主人公の悩みの種は恋愛ではなく、友情の部分。恋愛部分は気持ちいいほど迷わず、突進する(笑))、そこまでのテンポがいいから、前半の爽やかさに紛れて、そのまま通して見られてしまう。
前も書いたけど、良い作品って、ジャンルは違っても、学ぶところが多いな。
45歳の「おじさん」と17歳の「女子高生」
恋愛映画には、3,40代の女性と若い男の子の恋愛がモチーフの物は結構ある。
そういうのに出てくる3,40代の役をするのは美しい女優さんだから、そこまで不自然さを感じないし、「おばさん」たちに夢を持たせるためにハッピーなストーリーになっていることもある。
ただ現実的には「どうなの?」と思う。
この映画は、逆に45歳男性と17歳女子高生の恋。
しかも45歳男性は雑誌「LEON」に出てきちゃうような、ちょい悪親父ではなく、ただの冴えない、バツイチファミレス店長。やっているのが大泉洋というだけで、ちょい悪親父でないことは、一目瞭然(笑)
でも、17歳の美しい、そして同年代からも持てるスポーツ万能女子が、一方的に45歳のおじさんに惚れこみ、猛アタックする……という、「ありえないだろ」という設定。
なのに、この映画で見ると、「あぁ、なるほど」となんか理解できてしまう。そして、この「ありえないだろ」という設定を、「ありえるかも」と思わせてしまうところに、この作品の力と魅力が全部詰まっている。
※これは漫画が原作らしい。Amazonに「 より切なさが募った原作に対し、より爽やかさが印象的な映画。どちらも甲乙つけがたい」という感想があり、漫画も気になる。
最初は45歳の「おじさん」が、冴えないおじさんにしか見えないのだけれど、主人公の目を通して見ていくうち、次第に魅力的にも見えてくる。
(私はこの「おじさん」と同い年なので、自分も今までの経験を使って、若い人の力になれることもあるのかな、なんてことも思ってしまった。)
さらに、ラストは非常に爽やかなハッピーエンドなのだけれど、それは、恋愛のハッピーエンドとは違う。その、落としどころがちゃんと現実的なところにもまた好感が持てた。
本当、良かったな。
爽やかな気分になりたいとき、ちょっと前向きな気持ちになりたいときにお薦めの映画。
「恋は雨上がりのように」