美術

「ライゾマティクス_マルティプレックス」感想

東京都現代美術館 で行われている
「ライゾマティクス_マルティプレックス」展へ行ってきた。

 

ライゾマティクスとは?

Perfumeなどのライブの映像作品制作をしたり、
フェンシングの剣先の動きを可視化して見せる技術を開発したり

……なんか色々やっている集団らしい。

 

美術館でもらった資料によると、

ライゾマティクスは、技術と表現の新しい可能性を探求し、研究開発要素の強い実験的なプロジェクトを中心に、ハード・ソフトの開発からオペレーションまで、プロジェクトにおける全ての工程に責任を持ち、人とテクノロジーの関係について研究しながらR&Dプロジェクトや作品制作を行う。また、外部のアーティストや研究者・科学者などとのコラボレーションワークを通じ、カッティングエッジな表現作品、研究を世の中に発表している。

意味……分からなすぎ(^^;)

 

ともかく、プログラミングできる人、新しいドローンとかVR機器を作れちゃう人などから、ライブで必要な機器を操作できる人、ダンスの振りつけを考えられる人など、様々な人がいて、プロジェクトを一貫してこなせちゃいますよ、という集団らしい。

 

もう、詳しくは、東京都現代美術館のサイトをみて!(笑)

https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/rhizomatiks/
 
 

で、ライゾマティクスは、色々やっている集団なのだけれど、
とにかくもう「超理系」世界。
 

すべての動きが、プログラミング言語に落とせるくらい、再現性のあるものにされているというか、
不確定なものさえも、分析・解析することで、再現性のあるものにしようと試みているというか。
 
感覚派の私には???の世界が広がっていて、見終わった後は頭が飽和状態だった(^^;)
 
でもこういう、意味の分からなさに痺れたりする。

 

まったく違う発想で世界を捉える視点

上の写真は、明るさが足りなくて、ブレて意味が分からなくなってしまったのだけど、
ダンサー4人の映像に、手・足などの動きをトレースした線を重ねて見せている映像作品の一コマ。
 
ダンスも感覚的なものに感じられるけれど、分析すると、曲線と直線によって作られていることが分かる。
曲線と直線では、見る人に与える印象が異なることも。

ライゾマティクスはとにかくこうやって、すべてを分析していく。というか、すべての事象をプロフラムに落とし込めるくらい、細分化して、解析していく。

 
 
自分にはない視点。

そういう、自分とは異なった視点をもらえることは、刺激になる。

 

また展示の最後には「エピローグ」として、
今回の展示を動かしているプログラムなどが公開されていて、それも非常に面白かった。
 


 

今回の展示では、見ている人の動きもデータが取られているらしい。

個人情報などは削除して使用しますと断りはあるけれど、やや不気味。

その不気味さも含めての、「データ社会」「分析社会」の最先端の展示だったように思う。

 
 
現代美術館は、いつも「こんな発想で世界を捉えている人がいるのか」という驚きをくれる、大好きな場所。

 

でも、現代美術館の展示を見ると、大体、ぐったり疲れてしまう……。

で、頭の混乱を収めようと、「2階のサンドイッチ」(カフェ)で、ふぅっとなる(笑)

 

おまけ:舞台芸術が創りたいな


ところで、絵も描かないし、立体芸術を作るわけでもない私が、
どうしてこんなに美術館に惹かれるのだろうとずっと不思議に思っていたけれど、
最近ちょっと分かった。

私は「舞台芸術」を創りたいとずっと思っていたんだって。

演劇とかミュージカルとかの括りをはねのける、もっと広い概念としての「舞台芸術」。

 

小説を書きながら、以前から思っていた。
「ストーリーの力を使ったら、1枚の絵画よりも美しいシーンが生み出せる」
 
素晴らしい絵はたくさん見てきた。
でも、私の頭の中にある、一番美しいシーンは、三島由紀夫の小説のシーンだったりする。

 
 
ただ、小説は読む人の想像力に、多くを頼りすぎてしまう。
 
本好きな人のたくましい想像力に期待して、これからも小説も書いていくけれど、
それと並行して、「ストーリー」もちゃんとあるけれど、
台詞や歌だけに頼らない、もっと「美術」「視覚芸術」でもある、「空間」の演出もしていきたいな。

 

美術館の空間が大好きで、それに匹敵する美の空間を自分でも作りたいと思うのだ。

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