過去Diary

新緑の紅葉

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 以前、そういえばこんなCMがあったな。

「仕事もある。恋人もいる。上手く行っていないわけではないけれど、ふと一人になって旅をしたい気分の時がある」

この頃、ふらりと沖縄に行きたくなる。
海に潜りたい。深く、深く。
もちろんおぼれ死ぬためではない。
自分の呼吸を思い出して、泳ぎたいだけ。

言葉が好きで、人が好きで、
貴重な休みの日や、毎日の帰ってきてからの時間、
友達と話したり、ネットで言葉のやりとりをしたりして過ごす。

でも、言葉が全く伝わらない、
海の深いところにもひかれる。

贅沢なんだろうな。

友達と会って、恋の相談をした。
「私が言わないといけない言葉は分かるけど、
それをけこは言って欲しくないと思うから、言わないよ」

明るい自分が好きで、いつもふざけてばかりいる。
その友達の前での私は。
強い振りをしてばかりの私が、その時は危うく泣きそうになった。

友達はいいな、と思った。
弱みを人に見せられる自分、
自分を気遣ってくれる友達のいる自分が、
幸せだと、心から思った。

それでも時々は、一人になりたくて、
自分の見たい風景だけを求めて、
一人で散歩に出掛ける。

いつもはアスファルトばかり見つめがちな私も、
そういうときは、顔が自然に上を向く。
最近、葉を透かす光と、
葉の間に見え隠れする空を見ることが、
多くなった。

もみじが好きだ、と思った。
まだ新緑のもみじ。

緑が綺麗だな、と思ってふと上を見たら、
細かなもみじの葉が、無数に散らばっていた。
漠然と感じた「緑」が、その時、
ひとつひとつの葉になった。
美しくて、そして、なぜか胸がきゅっとなった。
愛おしく思った。

一つ一つの葉が、あんなに繊細で、美しいから、
遠くから見た緑が、優しかったんだ。
空をふさがず、その色と調和したんだ。

「緑」なんて概念があるわけじゃなくて、
本当にあるのは、ただ一枚一枚の葉だったのだと、
ふと思って、
沖縄にも、海の中にも、
こことは違った、「現実」があることを知る。

でも、その「リアリティー」から、
逃げなくてもいい気がした。

一枚一枚の葉も、「緑」と同じぐらい、
綺麗であることを知った。

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