野中さんの本は久しぶり。
Contents
最近の作品はほわんとあたたかい
一番初めに読んだ「草原の輝き」は結構痛さや切なさを感じ、そのとぎすまされた感じが好きだったのだけれど、それ以降、もっと「ほわん」としたあたたかい小説を書くようになっている気がする。
今回の本も、タップダンスにはまる小学生の双子の姉妹の話で、すごい劇的な起伏があるというより、日常を柔らかい文章で書きつづっている感じ。
心を休ませたいときに
最近、「ストーリーで楽しませたい」「キャラクターを見せたい」「テーマを伝えたい」とか、分かりやすい本を読むことが多かったので、「あれ? 文学って何をする物何だったっけ?」などと、この本を読んでいてちょっと考えてしまった。
でもきっと、「読んでいるときの心地よい感覚を読者に与えたい」とか、そんな感じのことを野中さんは思って書いているんだろうな、という気がした。
わくわくどきどき先が気になる、という本ではないけれど、ちょっと日常がハードで、心を休めたいなぁ、というときに、たとえばお風呂にもっていって、良い香りのするバスオイルかなにかを入れ、半身浴をしながら読むっていうのもいいのでは、というような感じだった。
小春日和 野中 柊
集英社 2006-03-17 |