伊坂さんの小説は、明るく見えながら、常に影がつきまとう感じです。
でも、その、「世の中の悪い部分から目をそらしているわけではないのだけれど、救いのない物語でもない」という、絶妙なバランスがいいんだなぁ。
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デビュー作からすごい
ただ、今回、伊坂さんの本は3冊目ですが、デビュー作がこんな作品だったのだということに、驚きました。
3作が3作とも似たような空気を醸しだしつつも、全く違う世界を描いていて、すごい。
特に「オーデュボンの祈り」は、ミステリー系の新人賞を獲った作品のようですが、ただ上手い、というだけではなく、こういう作品が、普通のミステリーのなかに、ぽっとあったら、それは気にならないわけがないでしょう、という感じでした。
私の個人的な感想では、「星の王子様」を思い出しました。
でも、これだけ突飛な設定、不思議で濃いキャラクターを登場させながら、物語を破綻させることなく、最後まで読者をひっぱっていってしまうその力、やっぱりすごいです。
絶対デビューして、伊坂さんに会う!!と、それが最近の目標です。
ここ数年は、ともかく、作家になりたい、と、作品を量産して、新人賞に一年に何作も送り込んでいましたが、伊坂さんの本と出会って、目標がちょっと変わりました。
今年一年は、丸一年かけて、伊坂さんに負けないレベルのすごい小説を1作書く!
あと、今年中に、いままで出ている伊坂さんの本は全部読む!
作品同士のリンク
そうそう、伊坂さんの作品は、作品同士色々なリンクが貼られているのですが(A作品に出てきたBさんが、C作品にもちらりと登場するとか)、「無重力ピエロ」というファンサイトで、それが一覧になっています。
(追記:今はこのサイト、もう閉鎖されてしまっているようです。残念)
気をつけて読んでいるつもりでも、一回読んだだけでは全部は見つけられない感じです。
深いな~。
っていうか、本当に頭のいい人だなぁ、と、感心、というか、すごく羨ましい~!!
オーデュボンの祈り (新潮文庫)
新潮社 2003-11 |