若桜木先生に薦められて「化身」を読んだ。
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本格推理
鮎川哲也賞受賞作なんて、読むのはじめてかも。
こういうのが「本格推理」というジャンルなのだと、初めて体験した。
むちゃくちゃ頭いいなぁ、この人、というのと、よくこんなに詳しく調べる気になるなぁ、というのが感想。
以前は、小説家を目指すのなら、どんなものでも書けなくてはみたいに思ったりしていたけれど、最近は、あまり思わなくなった。
綱渡りや宙返りができないように、「本格推理小説」など、書けない、と(笑)
トリックは完璧だけど
でもやはり、人間、得意不得意があるのだろうな。
せっかくトリックなどは完璧なのに、人物造形が......悪い意味で漫画のようでした。
すべての人が、いわゆる「典型的なキャラクター」というか......。
ただもし将来、これくらいすごいトリック(というか設定も含め)を考えつけ、さらにトリックを考えることだけに楽しみを見出している人と出会えたら、共著で小説を書いてもいいかもしれない......などと、変にビジネスライクに思ってみました(笑)
ということで、小説に「共感」であるとか、「描写」の美みたいなものを求めている人にはあまり薦めないけれど、ミステリーを書きたいと思っている人や、大どんでん返しみたいなものが好きな人にはお薦めです!
化身 (幻冬舎文庫) 愛川 晶
幻冬舎 1999-06 |