昨日は笠間に行ったついでに、茨城県陶芸美術館を見た。
「エミール・ガレ展」開催中。
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確固たる世界観
こういう確固たる世界観をもった作品は、美術、文芸、映像問わず、いいなぁ、と思う。
ガレははじめ、ガラス本来の美しさを最大限に引き出す、淡い青のガラスなどを"発明"し、高い評価を受けるが、その後、方針を転換し、透明感のないガラスとは思えない作品を生み出していく。
しかもそこには、虫や蛙など西洋では忌み嫌われていた生き物を写実的に表現する。
《鶴首瓶〈蜻蛉〉》などは傑作だ。
落下し、今まさに死にそうなトンボが水面に映る自分の姿と目があう一瞬を表現したものらしいが、ぞっとするくらい、一つの世界ができあがっている。
文学の影響
ガレは詩や文学にも影響を受け、詩などの一節を浮き上がった文字として作品に入れ込んだりはしているが、言葉ではない表現の部分に、言葉の使い手である私は逆にまた影響を受ける。
言葉やストーリーのない芸術表現に触れることで、自分の"文学"は磨かれるように思う。
やっぱり定期的に美術館には通いたいものだ。
(あと、ガレとは別に、陶芸作品の展示もあったけれど、松井康成さんという陶芸作家の作品に非常に感動した。中学時代、密かに陶芸部だったのだけれど、陶芸にこんな多様な表現があったとは。