「お薦めマーケティング本」として紹介されていたので、マーケティングを初歩からきちんと学ぼうと購入。
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マーケティングが基礎から分かる
イタリアレストランをどう繁盛させていくか、というストーリー仕立ての本なのだけれど、読みやすいのに、中身は濃くて、びっくり!
難しい内容を、非常に分かりやすい例で説明してくれている、とてもよい本だった。
マーケティングをすでにかなり学んでいる人には物足りないのだろうけれど、「初級」から「中級」くらいまではまかなえそうな内容。
特に、飲食業とか小売とかの「中小企業」の場合は、あまり専門的なことを勉強しても逆に使えないと思うので、これくらいシンプルな仕組みの方が、現実的で、使いやすいかもしれない。
そういった意味で、たとえば社労士が、中小企業の社長と話をするとき、人事周りのことだけではなくて、商品の売り方についてもちょっとしたアドバイスをする、なんてときには、非常に使える本だと思う。
社労士がマーケティングのプロになる必要はないと思うけれど、やっぱり、「どうやったら売り上げを上げられるか」が社長の一番の感心事なわけで(いや、一番は資金繰り?)。
内容の一部を紹介
また商品のコピーを書くにしても、「誰に」「何を強調して」伝えるか、という戦略がなければ、文章がいくら読みやすくて、美しくても、何の意味もないので、やっぱりマーケティングの知識は大事。
今まで「勘」でやってきたけれど、改めてしっかり知識が整理されて、非常に良かった。
差別化には3つの軸がある
1.手軽軸......安い・早い・便利
2.商品軸......高品質・新技術
3.密着軸......顧客の個別ニーズに対応
自分の会社がどの軸でやっていくのかを決めなければ、ターゲットは誰か、競合はどこかは分からない。
売り上げを上げるには5つの方法がある
1.新規顧客の開拓
2.既存顧客の維持
3.購買頻度の向上
4.購買点数の増加
5.商品単価の向上
どの方法で売り上げを上げていくのかを考えるときには、自分たちがどの差別化戦略を選んでいるかとも関わりがある。
たとえば手軽軸なら、単価が安い分、お客の数を増やすために、新規顧客を常に開拓し続ける必要がある。商品軸なら、商品単価の向上を考えてもいいが、新規顧客開拓のために割引セールをするなどというのは、誤った戦略になる。
潜在顧客がファンになるまでの7つの関門
1.認知
2.興味
3.行動
4.比較
5.購買
6.利用
7.愛情
現状、「ファン」が増えていないとしたら、どこで止まってしまっているのか考える必要がある。ボトルネックがあれば、その解消は大切だが、必ずしも若い番号から手を付けていけばいいわけではない。むしろ、下の方から手を付けたほうがいい場合も多い。
(たとえば利用した人の評価が悪く、ファンにならないのなら、「6」まで進む人の数を増やしても、クレームが増えるだけで、ファンは増えない)
などなど、言われてみればもっともだけれど、自分のなかでしっかり整理されていない部分が、非常に分かりやすくまとめられていて、良い本だった。しばらくは手元に置いて、目の前の仕事に色々応用しながら、使えるようになっていきたいと思う。
上記以外にも、「なるほど!」という解説や、言葉が満載なので、少しでもマーケティングに興味のある方にはお勧めです!
売れる会社のすごい仕組み~明日から使えるマーケティング戦略 | |
佐藤 義典
青春出版社 2009-08-01 |