六本木のストライプハウスギャラリーで行われていた個展。
彫刻関係の小説を書きたいと思い(また彫刻? とつっこみたくなってもつっこまないでね)、「ぴあ」で立体芸術を探し、気になった作家をWEBで調べてみた。
この個展のHPが作品の雰囲気もさることながら、岡田さん本人の「コメント」にぐっと心をつかまれ、これはきっと出会いだと勝手な確信を持ち、はるばる(?)六本木に出向く。
Contents
目を離せなくなってしまう人形
作品は十点ぐらい。でも結構幅は広い。平面的な「額」に収まった作品もあったし。それぞれ世界がある。
でも色彩によって装飾されていない、ただ静かに立っている女性の像にひどく惹かれた。
目は決して合わないが、目を離せなくなってしまう人形。
淋し気にも感じられるのだけれど、自分の存在だけでしっかりと閉じた存在であるようにも見える。立体の人形は、見る角度によって微妙に表情を変える。
欲しいなぁと思わず感じてしまうくらい素敵だった(でもさすがに数十万は私には無理です(>_<))
作者の方と1時間ほどお茶をする経験
ただ、作品以上に感動したこと……
ギャラリーに入ったら、脇のテーブルで男性と女性が二人で話をしていたので、そおっと中に入り、作品を見ていたのだけれど、女性の方がふっと側を通り過ぎ、「こんにちは」と笑顔で挨拶をしてくださった。
あまりにフレンドリーな笑顔だったので、知りあいに間違えられているのかなぁ……と思いつつも、笑顔で会釈を返したら、少しするとその方が控え室のような場所から出てきて、「お茶を入れたので良ければ一緒にどうぞ」と、また笑顔。
テーブルにいる男性とその女性は明らかに長いつきあいらしい会話をしている。
「ええ??」と驚きながらも、作品を一通り見終わってから、そのテーブルに近づいていくと、今度はみかんを薦めてもらった。
思わずしどろもどろになり、「いや……ただの通りがかりの者なのですが……」と訳の分からない自己紹介をしてみる。それでも二人とも笑顔で迎えてくれるので、図々しくもその会話におじゃますることにした(笑)
そして結局一時間近く、三人でお話をする。
女性の方が岡田さん本人。そして男性の方は同じく立体を中心とした芸術活動をしている稲田敦さんと言われる方だった。
つい先日までプランタンの企画展で作品を売っていたという、立派な「芸術家」。ネットで調べると色々なサイトがひっかかった。「自称作家」とは大違いだ……。
でも、二人とも、「何か作っていらっしゃるの?」などと聞いてくれるので、思わず「美術系はなにもしていないのですが……文章を」と答える。正直に全然プロでもなんでもないんですけれど、と言葉を添えつつ。
それでも、同じ「表現者」として扱ってもらい、感動する。
岡田さんには「小説を書こうと思ったら、色々な人と会って話して、たくさんの人の語彙を自分のものにしていかないとだめよね」と言われる。
まぁ、自分の世界に閉じこもりまくってひとつの新しい世界を構築するというのも手だけれど、私のような作品を書いていく上では、やはり人との出会いとか、人との会話はとても重要だと思う。さすがに岡田さんのように初対面の人にフレンドリーに接する力はないのだけれど、もっと自分から人とのつながりを作っていかないといけないな、と強く思った。
私は美術関係には疎いので、変な質問ばかりしてしまったかもしれないけれど、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださって、本当に素敵な人だった。
一番心に残った言葉は、「やっぱり私は作品で人を癒したいし、癒されたい」という言葉だった。私もそう思う!
思うだけで伝わらないからアマチュアなんだけどさ、私は……。
でも頑張って、もっと世界や視野を広げて、作品の世界も広げたいと思った。
本当にとても不思議で楽しい時間を過ごせました。感謝!
※写真はストライプハウスのサイトより拝借しました