野ばらさんの作品は相変わらず素晴らしい!
最近、常に野ばら本を持ち歩かないと気がすまないぐらい好き。
この作品を読むまでは「下妻物語」を読んでいて、それはそれでとても良かったのだけれど、その後に「カフェ小品集」を読むと、本来の野ばらさんに出会い直した感じがする。
野ばら初心者にもお薦め
これは実在する12のカフェでおこる12のストーリーを集めた短編集。恋の切なさ満載で、心に染みる。心から分かり合える恋人と、この作品の舞台になったカフェで静かに向き合いたくなる。(でも残念ながらそんな恋人が私にはいない……)
どの作品も良かったけれど、私が特に好きなのは「素人仕事の贅沢」と「二十年代のレコードをマグネチックスピーカーで再生する理由」。
すべての恋は手放しで幸せというわけでは決してないのだけれど、恋心を大切にはぐくんでいく、その柔らかい手触りが素敵だ。
両想いもいいけれど、片想いもいいよね、という感じかな。野ばら初心者にも、お勧めの一冊です!