吉田修一

吉田修一「東京湾景」

最近すっかり吉田修一にはまっている。この本、今日一日で読み切っちゃった。

以前同名のドラマがあったけれど、ドラマはどこまで原作に忠実だったのだろう。

一話目のさわりしか見なかったが、あれは日韓問題になっていたような……。でも原作に韓国人はまったく登場しない。

ネットで見るとドラマの評判はかなり悪かったみたいだし、絶対小説を読んだ方がいいと思う!

 

純粋な「恋愛小説」

このあいだ読んだ「春、バーニーズで」もなかなか良かったけれど、「東京湾景」はその上を行くなぁ、私にとっては。「気持ちよく読める恋愛小説」という感じがした。

小説の中には「恋愛を書いている小説」と「恋愛を通して人間というものを書いている小説」があり、多分、ばななさんの作品も、小川さんや野ばらさんの作品も、多くの「文学」は後者。吉田さんの多くの小説も後者だろう。

でも、「東京湾景」は純粋な「恋愛小説」だと思った。恋愛とはなにかを真摯に追究している。

でもそれだけ真っ正面から恋愛を書いているのだけれど、溺れてしまったり、くさくなりすぎちゃうこともなく、絶妙なバランスを保っていて、上手い。

「パレード」ほどではないけれど、軽く読者を裏切る、最後の「展開」もあって、私は結構楽しめた。

登場人物の気持ちとか、シーン、そして、東京湾の風景が読み終わったあと、きちんと余韻として残る。

 

小説の「もてなす心」

あくまで私が目指しているのは「すばる文学賞」→「芥川賞」という純文学路線なのだけれど、この頃、おもしろく読ませる構成力とか、キャラクターの作り方など、エンターテイメント系の作家が力を入れているであろうところに、かなり興味が向いている。

先の気になるストーリーを作り、軽くても良いからちょっとしたどんでん返しを最後に用意するその「もてなす心」と「もてなす技術」を育んでいきたいと思う今日この頃。自分に足りないのは明らかにそこだからなぁ……

まずは「あらすじだけ読んでもおもしろい」というものを目指そうかな。

あらすじを表現豊かな「文章」にする力には自信があるのだけれど、そのまえの「あらすじ(プロット?)」時点で、何か問題がありそうなので……。


たくさん読んで、たくさん書いて、成長するぞ!!

-吉田修一
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