さだまさしは大好きな作家。
「精霊流し」を読んではまり、「解夏」を読んで、素晴らしすぎる!と思った。
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うむ……
で、私にとっては待望の三作目だったのだけれど……
期待しすぎたのかなぁ。今回は、あれ……と思ってしまった。
これは徳島の話なのだけれど、やっぱり長崎という自分にとっての思い出の地を舞台にしていた方が良かったのかもしれない。
私は徳島とまったく縁がない人間なので、よく分からないけれど、徳島を舞台にして、阿波踊りの時期を背景にして描いているのが、いかにも「四国を書いてみました」という感じに思えてしまったし、全体的に作り物めいたところが目についてしまった。ラストとか、これでいいの?!
人物の作り方が上手い
ただ人物の作り方は上手い。長く生き、様々な経験をした人ではないと描けない深みを感じさせる。
この人(作家)は人間が好きなんだなぁと感じさせる。
それって結構重要なことかもしれない。
私の作品を読んだ友人はしばしば、「登場人物がいけすかない」と感想をくれるし……。
もっと魅力的な人物を描けるようになりたいと最近思う。
そういう私にとっては、「人物を描く」という部分で勉強になった。
「解夏」を読んで!
ということで、今回の作品は絶賛というわけではないけれど、また四作目が出たら間違いなく読むだろうとは思う
「解夏」のような作品にまた出会いたい。
「解夏」は映画になったからその一編だけが強調されているけれど、四作の短編集。
他の作品もそれぞれ味があるので、是非読んでもらいたいと思う。
小説仲間には、「そんな良い作品が賞を獲らないなんて、ゴーストがいるんじゃない?」とか言われたけれど……私はさだまさしを信じるのだっ!(笑)