二週間前、また渋谷リブロまでサイン会に行ってしまいました。そして野ばらさんは、やはり素敵でした☆
Contents
ちょっと残念
が、この本は......ちょっと残念。いや、ちょっとじゃないかも......。
「下妻物語」自体がとても良かっただけに、ただそこで作ったキャラクターを自分でパロディーにしてしまったのだろうか、という気がした。
でもそれはこの小説が中途半端に「殺人事件」だったため、それなりの展開やストーリーの起伏を期待してしまったのが間違いだったというだけかもしれない。
もしかしたらこういう本の楽しみ方を知っている人もいて、私には読みこなせていないというだけかも。実際、ネットで調べてみると、好意的な意見が多いし。
(でも野ばらさんにはコアファンが多いから、何を書いても許される空気もあるのかな?)
野ばらさんの良さが……
野ばらさんの筆力は、シリアスなところに上手く笑いを取り入れたり、盛り上がっているところをわざと台無しにしてみたりするところにもあると思うのだけれど、今回はちょっとそれもやりすぎな感じがした。
あと、初めの方は「下妻物語」の説明のためのあらすじになってしまっているように思えたのも、読みづらく感じた要素かも。続き物とか連載って難しいとは思うけれど、「以前の話を知りたかったら前の作品を読め!」ってくらいの強さがあってもいいのではないかと私は思ってしまった。
ラストもちょっと強引な気はしたけれど、ただ、桃子とイチゴの友情というか、愛情はひしひしと感じられたので、そこだけは良かったかな。
女には描けない、女同士の素敵な関係がそこにはある、って感じ。こんな親友がいたらいいよなと思う。
まとめは......文学として読むと、どうして「エミリー」ほどのものを書ける人がこんなものを書くのだ?!というもどかしさがあるのだけれど、コミック感覚で読めば、おもしろいことはおもしろく、エンタメとしては価値有りです、というところでしょうか。
今回の感想は自分でもちょっと自信なさげ......(笑)
下妻物語・完―ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件
小学館 2005-07 |