むかしはかなり、ばななさんのファンで、ほとんど全部の本を読んでいたのだけれど、ここ5年ほど、思いついたときにしか読まなくなってしまった。
なんかすごい「思想」を感じるようになってしまったからかなぁ。
「思想」が強い
文章は相変わらず、柔らかく、読みやすい文体で、ストーリーも登場人物もばななさんらしさを失っていないのだけれど、でもところどころに、「結局人間とは××なのだ」という感じの断定的な言葉が混ざっていて、それが少し窮屈に感じられたりする。
でも、そういうふうに、小説を通して人に(特に若い世代に)メッセージを伝えていくというのが今、ばななさんがしたいと思っていることなのだろうし、それを受け止めて、ファンを続けている人も多いのだから、それでいいのかもしれない。
アマゾンのサイトを見ると、評価は高いみたいだし、受け止め方は人それぞれなんだろうな。
子供を産んで、母親になったあと、作品がこれからどう変わっていくかは私も関心がある。
イルカ よしもと ばなな
文藝春秋 2006-03-20 |