雫井脩介

雫井脩介「クローズド・ノート」

映画化もされた「クローズド・ノート」読んだ。

 

「火の粉」も上手かったけれど

映画も気になっていたのだけれど、見られず、そのままになって いたのだけれど、雫井さんの「火の粉」を少し前に読んで、 その上手さに舌を巻き、「クローズド・ノート」もこの人の 作品なのね、と気づき、購入。

「火の粉」は上手いけれど、ちょっとホラー的で、人の嫌な面を 徹底的に書ききって、だからこそ、リアリティがあるという感じ の作品なのだけれど、「クローズド・ノート」はまったく違った テイストで、あったかい気持ちになれ、とっても良かった。

女性的な文章だし(火の粉のときも感じたけれど、女性の視点で 書くのが上手い!)、女性にお勧めの本かな。

名前から見るに、男の人っぽいけれど、本当に男の人だよね??

 

日記の中身もいい

恋愛のくだりもいいけれど、主人公のひとり(という説明でいい のか?)は、小学校の先生で、子供たちとのふれあいのなかから 感じたことを、日記に書き記している。

その文章が、「あぁ、やっぱり、こういう人こそ、先生にふさわしい」と思える、あったかい視点と想いにあふれていて、とても 良かった。

ただでさえ、そういうのは、郷愁を誘って、悲しい話でなくても 泣けてしまうのに(やっぱ、塾の先生時代は楽しかったな)、 こんな、ストーリーの力まで加わったらなおさらだ。

 

こんな、まったく違った顔を持った作品を、しかも両方とも非常に 高い質で書き出している雫井さん。

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