久しぶりに本多さんの「MISSING」と「MOMENT」を読み直す。
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本多さんの短編はいい
最近、長編も書いているけれど、初期のころの作品はほとんど短編。
長編もいいけれど、本多さんの良さはやっぱりこういう短編集にあるよな、と改めて思う。
「MISSING」もいいけれど、「MOMENT」のほうがデビューしてから数年後くらいの作品集のため、完成度が高く、安心して読める感じ。
知り合いが「MISSING」を読み(MISSINGの第1話目がデビュー作)、「これでデビューできたのは運がいいよね。デビュー作は本当に下手だと思った。でも、どんどんうまくなってきているのが分かる」とコメントしていたけれど、改めて読み返してみると、確かに完成度は上がっていっているのが分かるかも。
独特の世界観と透明感
本多さんの作品は、東野さんとか乃南さんの作品などと違って、「ひょっとしたら私にも書けるんじゃないか」などと思わせる身近さがあるけれど、こういう独特の世界観、透明感は、誰にでも出せるものではないよなぁ。
一応すべての話が「ちょっとしたミステリー」で、読み終わると、あぁ、と納得できる。
でもそれだけじゃなくて、読んでいる時間が心地いい。
その心地よさがなにより、本多さんの作品の魅力だろう。
最新刊「WILL」
最新刊「WILL」は、「MOMENT」の続編。
「WILL」の主人公は「MOMENT」の主人公の幼馴染で「MOMENT」にもしばしば登場する葬儀屋の女性。
「WILL」はまだ3分の1くらいしか読んでいないけれど、「MOMENT」と似た世界観を持った短編集になっている。
ただ、いまのところ、「MOMENT」のほうが好きかな。
MOMENT (集英社文庫)
集英社 2005-09-16 |
WILL
集英社 2009-10-05 |