AmazonPrimeのお勧めに出てきて、非常に評価が高かったので、事前情報なく見始めたのだけど……猟奇殺人の話と始めからわかっていたら見なかった💦
(ホラー系はものすごく苦手)
開始10分くらいで血だらけの人が四人出てきて、いったん止めたのだけれど、“で、このあとどういう風にストーリー続いていくの?”と気になり、結局見終えてしまった。
“次、どうなるのだろう”というサスペンス要素は、やはり見る人や読者を引っ張っていく強い力だ。
ということを、改めて学んだ気がする。
(でも、私にはかなり見るのにエネルギーが必要な作品で、15分ずつくらい、細切れに見た💦)
Contents
物語
連続猟奇殺人犯役が「世界の終わり」のfukaseだということで、話題になった映画だから(私は見始めてから、「あぁ、この映画だったのか」と気づいた)、知っている人も多いと思うけれど……
描写力はありながら、「キャラクターが弱い」と言われ、アシスタントから抜け出せない漫画家が主人公。
その主人公がたまたま“しあわせそうな家”のスケッチをしていたとき、“一家惨殺”の現場に出会わせてしまう。
主人公はそのとき犯人の顔を見るが、警察には顔は見なかったと言い、密かにその犯人を自分の漫画のキャラクターにしたてていく。
その漫画が大ヒットし、“漫画家はあきらめよう”と思っていた主人公は、一発逆転、超人気漫画家になる。
しかし、一家惨殺の現場で出くわした犯人は、主人公の漫画を読み、そのストーリーをなぞるように残酷な殺人を繰り返していく。
そして、主人公の前に姿を現し、“あれは僕と先生の共同制作ですよね”など話すようになる。
演出と役者がすごい
多分、この映画は演出と役者がすごいのだろう、と思った。
見ているときはすごいリアルに没入していたのだけれど、見終わって冷静に振り返ると、”え? そんなことある?”と色々感じる。
でも大事なのは、見ているときにそう感じさせない力なのだろう。
その力は、きっと演出と役者の力。
役者は本当豪華。
主人公は菅田将暉。メインで事件を担当する刑事は小栗旬と中村獅童。
大河ドラマ『鎌倉殿と13人』でもメイン張っている3人で、まさに実力派。
うまい役者の演技の説得力って、どこから来るのだろう。本当、すごいなぁと思う。
ストーリー自体の持つ終わりに向けて観客を引っ張っていく矢印みたいなものが、演出とうまい役者によって強化され、見る人を途中で脱落させない。
……ただ、すごい悲惨なラストなわけではなかったけれど、個人的に後味はあまり良くなかったように思う。
(残酷なシーンが多すぎて、最後ぐったりしちゃったというだけかもしれないけど)
個人的にはもうちょっと最後浄化を感じるストーリーが好きかなぁ。
面白いし、本当、役者が素晴らしいのだけれど、「元気な時に見てね」と言いたい作品(笑)
キャラクター
小説を書いていても、「キャラクターの魅力が……」とか「キャラクターの描き方が……」とか結構言われる。
漫画の場合はその傾向がより一層すごいのだろうな。
だから、この話の発端と主人公の気持ちはよく分かった。
でも、しつこく何回も書くけど、
キャラもストーリーもさほど強くないからこそ、シーンごとの描写の美しさに浸れる『言の葉の庭』みたいな作品が好みだ!
みたいな私みたいな人も世の中には結構いるはずで、自分が得意な部分とか、伸ばしたい部分を伸ばしていくことが、作品作りには大事なんじゃないかな。
『パキラ』の脚本を選んでくれたときHappyさんが、
「一人“主人公”という人がいるわけではなくて、全体の世界観が主役みたいな作品で、好みだった」
みたいなことを言ってくれて、その言葉、とても嬉しかった。
その頃お世話になっていた編集者さんがエンタメ趣向の強い男性で、キャラや設定が弱いみたいなことばかり言われていたからね💦
でも本当、捨てる神あれば拾う神あり。
一分遅れた時計より、止まった時計の方が正確な時刻を刻めるチャンスがある。
私は世界が自分に追いつくのをここで待つ!
なんてね(笑)
「キャラクター」