-
絲山 秋子「沖で待つ」
最近ちょっと小説を読む余裕がなく(気持ちの、かな)、なんだか久しぶりに読んだ。 さらりと読めるし、淡々としているけれど、必要なことは伝わってきて、やはり上手いな、という気がする。 「同期との絆につ ...
-
河崎愛美「あなたへ」
15歳で小学館文庫小説賞を獲り、一時期騒がれていた子の作品を読んでみた。 最近、そういう若い子の作品を読む機会が多いけれど(やっぱり話題になるから気になって手に取っちゃうのかな)、「???」と思っても ...
-
青山七恵「窓の灯」
今年の文藝賞受賞作品の片方を読んだ(最少年齢で受賞、というのではない方。それでも、20代前半だけれど)。 読者をぎゅっと引っ張る力 「すばる」や「新潮」やいくつかの受賞作を読んで、一番惹かれたのが ...
-
白岩玄 「野ブタ。をプロデュース」
このあいだ書いた「人のセックスを笑うな」と同時に文藝賞を受賞した小説。 「コミック世代」だ、「軽い」だ何だと言われながら、芥川賞の候補にまでなり、今度は亀梨和也(KAT-TUN)、山下智久(NEWS) ...
-
「人のセックスを笑うな」山崎ナオコーラ
この題名は成功しているのか失敗しているのか......。やはりそのあたりが気になってしまう。 正直、この作品はこのタイトルでなければ受賞しなかっただろう(これは去年の「文藝賞」受賞作)。でも、このタイ ...
-
安達千夏「あなたがほしい」
七年前の「すばる文学賞」受賞作。 五年前から「すばる」の受賞作を読むようにしているので、最近のものはほとんど読んでいるのだけれど、新しいのを読みつつ、たまには遡って。 デビュー後生き残れる作家 ど ...
-
三島由紀夫「豊饒の海-春の雪」
墓場まで一冊だけ本を持って行かれると言われたら何を選ぶと聞かれ、私の答えるのはこの本。 私の文学の原点は三島 最近はちょっと純文学というものに愛想をつかし始め、エンタメもいいよなぁ、芥川賞なんて獲らな ...
-
江國香織「東京タワー」
2004/11/22 小説レビュー
恋って切ないなぁ。という気持ちでいっぱいになった。 恋は落ちるもの 「恋はすものじゃなく、おちるものだ。 透はそれを、詩史に教わった。いったんおちたが最後、浮上は困難だということも」 一文目は書け ...
-
朝倉 祐弥「白の咆哮」
「すばる文学賞」受賞作。 書くのも読むのも根気がいるような作品 「白の咆哮」は半分SFのような話で、近未来日本の景気がどんどん悪くなった頃、日本中が土踊りというものに支配されていくというような話。 ...
-
綿谷りさ「蹴りたい背中」
2004/10/14
ついに読みました。 上手く捉えている うーん、なんていうのだろう、一言でいうと「上手く捉えている」という感じがした。 思春期という時期、そこで感じた些細だけれど、自分にとってはとっても重要な思い。 ...