★受賞歴★
◇「九州さが大衆文学賞」大賞(本の購入はこちら)
◇「坊ちゃん文学賞」佳作(本の購入はこちら)
◇「さいたま市スポーツ文学賞」大賞(「帰郷」 本の購入はこちら)
◇「伊豆文学賞」佳作(「彫り目」 本の購入はこちら)
★Kindle本★
下記2作が収録されています。
【「坊っちゃん文学賞」佳作】 「星々」
大学の修士課程で天文学の研究をしている内気な性格の慧は、研究室の先輩から、慧に似た人をウィンドサーフィンの雑誌で見たと言われる。 慧は双子で産まれたものの、弟は一歳で亡くなったと親には言われている。それでも、よく見る夢から、弟は生きているのではないかと感じている慧は、真実を知るために、行動を起こす。
【「ちよだ文学賞」最終選考作品】 「さくらの季節」
国家公務員として、「まっとうな」人生を送っている遠藤は、地方裁判所の前で、カメラを構えて取材をする映画サークルの元同期・吉田と再会する。
裁判を追い、ドキュメンタリーを作っていたのは、サークル同期のなかで唯一成功し、プロの映画監督になっている如月のはずだった。 なぜ今、吉田が裁判を追っているのか? もう一人の同期、愛里香が大学時代、フェスティバルに出品する予定のフィルムを自ら切り刻んだのはどうしてだったのか?
すべての謎が解けたとき、遠藤の止まっていた時間が動き出す。
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★凪サイトで連載中★
「その影を」
「あの頃見ていたのは、光だったのか、影だったのか 。太陽だったのか月だったのか」
建築事務所を舞台にした少し切ない「謎解き」と踏み出すそれぞれの一歩。
善場喜一郎設計事務所は、一級建築士の善場喜一郎と黒川祐樹が20年ほど前に設立した事務所だが、公共施設の設計などクリエイティブな仕事はすべて善場が行い、黒川は善場のデザインを現実的な設計図に落とし込んだり、個人邸の“泥臭い”仕事の指揮を取ったり、スタッフのまとめ役をしたり、細々とした業務をほぼ一手に引き受けていた。
わがままな客にも温和に対応し、要望を聞いた設計をし、スタッフにもいつも優しい黒川のことを藤田は尊敬しているが、それがために、黒川にはもっと野心を持って、“大きな仕事”もしていって欲しいと思っている。
そんなある日、善場が病気で倒れ、急死する。
★プロローグ★
★1-1★1-2★1-3★1-4★1-5★1-6★1-7★1-8
★2-1★2-2★2-3★2-4★2-5
★3-1★3-2★3-3
★エピローグ★
「紫のガラス」
あの日、穏やかな師は怒り、弟弟子は出て行った。2人の間に何があったのだろう。
湖畔の町トリエンナーレを舞台にした美術小説。
ステンドグラス作家・白糸先生の元で働く小田と新井と遼。
3年前の湖畔の町トリエンナーレでは、廃校になった小学校の音楽室に大きなステンドグラス作品を設置した。
忙しいけれど、充実した日々だったあの頃を小田と新井は振り返りながら、師と喧嘩し、出て行ってしまったもう一人の弟子・遼のことを思い出す。
あの日、先生と遼のあいだで何があったのか。先生はどうして以前のような制作意欲をなくしてしまったのか。
一人先生の元に残った小田は、自分には何ができるのだろうと模索し、自らの表現を見つけていく。
★1-1★1-2★
★2-1★2-2★
★3-1★3-2★3-3★3-4★3-5★
★4-1★4-2★
★小説投稿サイトで読める作品★
「祈りの島」
2019年 エブリスタ×集英社文庫
『ナツイチ小説大賞』最終候補作
~沖縄の島を舞台に、3つの祭りの季節に生まれた3つの物語~
瑠璃は大学時代、夏休み限定のアルバイトとして沖縄の離島のホテルで働きはじめる。
そこで、32歳の若さでホテルのオーナーをしている宮内さん、元プロサーファーというマリンショップの店長・当間さん、東京での引きこもり状態から当間さんの元に急に現れ“置いてください”と頼んだ色白の信恩寺さんなど、たくさんの個性的な人たちと出会う。
失恋の傷から、人との距離のとりかたが分からなくなっていた瑠璃は、もう一度、人ときちんと向き合っていこうと思う。
「エイサー」「ハーリー」「結願祭」という3つの祭りの季節を舞台に生まれた、人をもっと好きになれる爽やかな物語。
「虹を架けるための」
~コロナ期に、死を軽やかに、ポジティブに扱う作品が書きたくなり、創った作品~
山も湖も管理地に含む“公園”の管理の仕事をしている都(みやこ)。
標高1500メートルにある公園には、天国に昇るまでにあと一歩後押しが必要な“死者”がいる。 その人たちの話を聞き、伝言を預かるのも都たちの仕事だ。
大切な人を喪った過去を持つ同僚と、この世に少しの悔いを持ち、標高1500メートルに留まる死者たちと過ごす“日常”の物語。
「白鳥」
~あの人はなぜ、私の元からいなくなってしまったのだろう~
咲はふらりと立ち寄ったギャラリーで、大学生の翔に出会う。フィルムのカメラにこだわり、自分で現像までする翔の写真には、誠実さと丁寧さがあり、咲は惹きつけられ、作品を買う。それと同時に、大学時代、同じサークルにいた湊の存在を思い出す。
翔と同じように誠実に写真に向き合いながらも、「写真家になる」という野望で自らの目指す方向を見失い、唐突に咲の目の前から消えた湊。咲は翔に近づくことで、あの頃の湊の気持ちにも近づけるような気がする。
大人になったからこそ分かる過去のこと。広義の恋愛小説。
★エブリスタで読む★
「透過光」
~窓に貼りつけられた蝶は、美しいけれど、死んでいた~
介護用品の販売営業をしている僕と、お客さんとして出会った少し年上の女性とのねじれた物語。あなたは僕に嘘をついていませんか?
すばる文学賞2次選考を通過した純文学。
他の作品のように爽やかな読後感ではないはずだけれど、本来こういう世界観が私は好き。
★エブリスタで読む★
★選考委員の先生から頂いた言葉★
この作者は小説、特に短編の書き方を知っていると感じた。起承転結があり、人が描かれている。小説としてシンプルで、メッセージがある。
(北方 謙三 先生)
小説を書き慣れた人だと思う。
瑕瑾がなく、後味よく、さわやかな印象だ。
(森村 誠一 先生)
『星々』は、天文学の研究をしている大学生とプロウィンドサーファーという分かれて育った双子のDNAを問題にしたお話です。
星の世界の軽やかさとサーフィンの横へ滑っていく感じが交差しながら、大変きれいにまとめられた作品でした。
(中沢 新一 先生)
なかに出てくる彫刻論に知的な追及力を感じ、面白かった。
(三木 卓 先生)
サッカー仲間の友情を扱っていて、すがすがしい印象を与えてくれる。秋田県を舞台にしているが、自然に郷土への愛情も漂っていて、応募作諸篇を通じて、選考委員の満票を得ている。
(伊藤 佳一 先生)