洋画(米)

映画「ミュンヘン」

内容

1972年、ミュンヘンオリンピックで11人の選手が殺された。パレスチナのテロ組織の犯行だった。それに怒ったイスラエル政府は極秘に人を集め、そのテロ行為に関わった11人を殺すよう指示する。

主人公とその仲間5名は、ヨーロッパ中に散らばったその11人を探し求め、次々に殺害していく。

という、映画。

 

むちゃくちゃ暗くて重いけれど、良質

いやぁ……暗い。暗い。暗い。そして長い。

3時間、あの世界はつらい……。人はどんどん血を流して倒れるし、爆弾で吹き飛ばされるし……。そして主人公は苦悩し続ける。

正直、見ていて疲労困憊した。

 

ただ、それが一番の印象なのだけれど、でも、いい映画ではあった。

なんていうのだろう、「良質な作品」という感じ。
見ているあいだは、息苦しく、つらくても、心の中に消えない何かをしっかり刻みつけられる作品だと思う。

死の表現にしても、単純ではない。派手なアクション映画とはまるで違う、リアルな肌触りと心の動きがある。……まぁ、だからこそ見ていてつらいというのもあるのだけれど。

 

表現について考えさせられる

何かを表現して人に伝えるというのはどういうことなのか、考えさせられた。

もっと見るものを飽きさせないようにする工夫はいくらでもできただろうと思う。同じ内容をもっとエンターテイメント性を持たせて描くこともできるはず。

でも中途半端にそういう方向に走らず、徹底的にこういう世界で描ききったというところに、この作品に価値はある気がした。

 

なんというのだろう、下手に人にこびない分、しっかり伝えられるものがある、という感じ。

あぁ、表現って小手先の技術ではないな、という気がした。とても。

そういう意味ではとても勉強になり、良かった。

 

Home

あと内容に関して言えば、「あきらめること」も時には大切なのかもしれないということを感じた。前の書き込みとはまったく違う内容だけれど……。

宗教のせいといえばそれで片づけられてしまうけれど、結局イスラエルとパレスチナが一つの地理的にはさして豊かでもない地を求め、争ってしまうのは、その地こそが故郷だ、とりかえせねば、という長い年月をかけた「教育」の成果なのだろう。

外から見ると、その場所さえあきらめたらもっと他の幸せが手にはいるだろうに……と思ってしまうけれど、本人達は、それが手に入らなければ、生きていることになんの意味もないというくらい思い詰めてしまっている。

それが、言葉は悪いかもしれないけれど、かわいそうに思えた。

 

一人のイスラエル人が言う。故郷(home)は絶対に必要なのだと。

それと意図的にリンクされた言葉なのかは分からないけれど、最後の方で、一人の男が主人公に言う。美しいキッチンのショールームの前で。

この任務を果たして、大金を手に入れられたら、こういう大きなキッチンも手にはいるよ。家(home?)を手に入れるにはお金がかかるのさ、と。

でもようやく家にたどり着いた男に妻が言う。「この家のキッチンは少し広すぎるわ」と。

 

まぁ、そういう「純文学」的な作品だった。

つらいことはつらいけれど、見て損はないような気もする。という微妙な勧め方しかできないけれど、気力のあるときに是非、どうぞ(笑)

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