洋画(米)

映画「ユナイテッド93」

昨日は映画、「ユナイテッド93」を見た。

9.11のとき、国防省を狙ったけれど、近くで墜落した飛行機に関する半分ドキュメンタリーみたいな作品。

 

アメリか映画の誇り

なにをやっても結局助からないことは分かっているので、見ていてやるせなく、最後は悲しかったけれど、作品としては良かった。

シリアスなテーマを扱いながらも、きちんと見る人を飽きさせないテンポの良さを計算して作り出しているところに、アメリカ映画らしさや、アメリカ映画の「誇り」みたいなもを感じたりした。

 

世の中のいい面を前面に押し出すような作品

ストーリーそのものもなかなか興味深かったけれど、それ以上に、管制塔の仕事がこんなものなのだということが初めてわかり、おもしろかった。

普段のニュースなどだと、「こんなミスがあった」「こんな失敗があった」ということしか取り上げられないけれど、そうやって取り上げられないところで人はいつもコツコツと働き、他の人が想像しないような仕事をし、世の中を支えているのだろうな。

そういう世の中のいい面をもっと前面に押し出すような作品が増えていくといいとも思う。

 

空にいっぺんにあんなにたくさんの飛行機が飛んでいるのかということに驚き、その飛行機の運航状況を陸ではあまり把握できていないのだということにもかなりびっくりなのだけれど、

それでも機敏に「進路を変えろ」と連絡を取る人がいたり、「アメリカの上空は全面封鎖だ」とものすごい大きな規模のことをすごい早さで決断する人がいたり......そういうのは良かった。

 

乗客達も最終的には救われなかったけれど、みんなで力を合わせて、どうにか飛行機を取り戻そうとする過程が、感動だった。

乗客はみんな死んでしまったけれど、目標をそれたことで助かった命はたくさんあったはずで、そのことには喜ばないといけないのかもしれない。

 

遺族全員の協力を得て創った映画

監督はこの映画をつくるにあたって、乗客の遺族全員の協力を得て、事故当時のことを再現したという話だった。

その徹底ぶり、監督の事実を伝えたい、遺族のためにもこの作品を作りたいという思いが、やっぱ素晴らしい。いい作品を作れるかは、伝えたいという思いの強さにかかっている気がする。

 

決して幸せな気分を感じられる映画ではなかったけれど、いい意味で余韻はあった。

犯行グループを分かりやすい悪としては描かず、人間らしさを感じさせていたところも、良かった。

悪い人と良い人がいるわけではない、状況によって悪い人になったり良い人になったりするだけだ、という漱石の言葉を思い出したりもする。

 

私もちょっとずつまた小説を書き始めたいなと思うところ。人の心になにか届けられるような作品が作り出せたらいいな。

でも最近は小説を書くことを優先して、あせってたくさん作品を作るより、まずは様々なことを経験し、学び、感じ、それをゆっくり形にしていくのもいいかもしれない、などと思い始めている。

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