今日読み終わったばかりの本を一冊紹介。
瀬尾さんの本を読むのは二回目。以前は「卵の緒」を読んだ。
どちらも爽やかだけれど、本当は爽やかなだけではない「青春」を描いていて、いい作品だ。
Contents
読みやすさとタイトルの良さ
瀬尾さんの本を読んでまず感じるのは、読みやすさ。次に感じるのは、題名の付け方のうまさ。
始めはなにがどう神様なんだか分からないのだけれど、読み進んで行くにつれて、その言葉の重さがじわじわっとくる。このセンス、素晴らしいね!
この本も、読んで良かったと思える作品だった。
あぁ、本ってこういうことのためにあるんだ、文学ってそういうものなんだ、ということを、押しつけがましくなくさらりと書いて伝えてくれている(この本は、本嫌いな国語の先生と文学好きの男の子の話で、男の子の言葉や姿勢から、先生が文学の良さを少しずつ分かっていく、という話)。
よく知っている人の文章は面白い
よく知っている人の書いた文章はそれだけでおもしろい。だから、過去の作家のことも、もっと知れば、本もおもしろくなるのかもしれない、という考え方が良かったな。
確かにどんな下手な文でも、自分に向けて書かれた、友人の言葉は心にダイレクトに届く。
小学校の頃、友達とたくさん手紙の交換をした。そして私は自分の言葉で人をたくさん傷つけてきた。
中学、高校と成長し、自分に他の人より「文章力」というものがあると気づいたとき、私は人を傷つけるために文章を使うことは絶対にしないようにしようと思った。
この本とは関係ないかもしれないけれど、そんなことを考えていたな、ということを、久しぶりに思い出してみた。
いい小説を書きたい。そして人に良い影響を与えられる言葉をたくさんつづっていきたい。小説に限らず。
そんな思いにしてくれる本でした。