過去Diary

雨の音

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 今日の東京は、雨でした。午前中は、土砂降りでした。
 
 雨の日は、なぜか昔を振り返りたくなるような気分になります。雨の中、傘の中なのか、自分の中に閉じこもって、まわりの音が、自分に届きにくくなる。だからつい、自分のことを考え始める。
 
 人の記憶を呼び出しやすいのは、視覚や聴覚ではなく、臭覚、においによって定着させられたものだといいます。だから、春、ある花が咲くと、去年の今頃は、と思い出す。秋、キンモクセイが咲くと、小さかった頃のことを思い出します。

 雨も、そのにおいによって、何かを思い出させるのかもしれません。もう、東京には、「雨上がりの土の匂い」なんて、ほとんど期待できないのですが。
 
 でも、ちょっと詩的に言ってみると、人は天から降りてきて、地上に生まれて、だから色々なことに苦しんでいる。どこかで、何の悩みもなかった、「天」に帰りたいと思っている。だから、今「天」を離れ、地に落ちてきてしまった、「雨」が地上に落ちる音に、「雨」の淋しさを感じ取ってしまうのかもしれません。
 
 まえ、飛行機に乗ったとき、飛行機は雲の上を飛んでいました。それなのに、「雨の音」がした。雨自体には音はなくて、地上にあるものにぶつかって始めて音を立てる、それが常識なのですが、本当は、雨は雲からはなれるときに、何か音を出しているのかもしれない、そんなことを思いました。そして、その音を聞くことは、本当は人間には許されていなかった、雲より高く飛ぶことなんて、本当は許されていなかったのではないだろうか、そんなことも、その時考えました。

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