芥川賞受賞作「ポトスライムの舟」を読んだ。
聞いていた内容からは、かなり暗いものをイメージしていたけれど、意外とすがすがしい読後感。
文章にも湿った感じや重さがなく、あっさりと読みやすい。
ただその分、どこかで読んだことがあるな、と感じさせる。
すばる文学賞受賞作の中島さんの「漢方小説」に似ている。
あれは30過ぎの独身女性の話だったが、その設定を数歳若くして、現在進行形で病んでいるという設定を、うつから復活したあと、に変更し、パワーをトーンダウンさせた感じか?
そういう意味で、私は、中島さんのほうがどちらかというと筆力があるように思える。
中島さんは何度か芥川賞の候補に挙がりながら、なかなか獲れていないんだけど......。
やっぱ、芥川賞は「時代」と合致しているかが一番重要なのかな......。
ポトスライムの舟 津村 記久子
講談社 2009-02-05 |
漢方小説 (集英社文庫 な 45-1) (集英社文庫) 中島 たい子
集英社 2008-01-18 |