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和田竜「のぼうの城」

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のぼうの城 のぼうの城

小学館 2007-11-28
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 少し前に話題になった「歴史小説」。
 ただ、「歴史小説」というより、「歴史エンターテイメント」といったほうが近い。
 小説なんだけれど、漫画を読んでいるような気分になった。
 楽しく読める、とても。でも、その分、深さは捨てているかもしれない。

 ただ、滅多に歴史小説は読まないので、たまに読むとおもしろいな、と思った。
 この小説は、普段から歴史小説を読んでいる人ではなく、逆に、滅多に歴史小説になど手を出さない、という人へお勧め。

 ただ、この作品限らず、歴史の中の人は、今の人間の常識とはかけ離れたことを常識と思って生きていたりする。その「ずれた」感じに、なぜか、ほっとしてしまったりする。
 あぁ、なんだ、自分が大事に思っている常識って、別に、未来永劫変わらない、すっごく大切なものでもないんだな、なんて思える。

 この作品は、主人公、「のぼう様」のキャラクターがいい。
 本当に優れたリーダーというのは、なんでも一人でできてしまう人ではなく、たくさんの人に助けてもらえる人だ、などと聞いたりするが、このキャラクターもそんな人。

 歴史は苦手なので、どこまで史実に基づいた話なのかは分からないが、キャラクターも立て、ストーリーもぐいぐいひっぱっていく感じで、最後も気持ちよく終わるけれど、ご都合主義過ぎず、良かった。

「文学」を期待すると違うと思うけれど、いい漫画を読んだときのような心地よい気持ちにはなれると思う。
 私はこういう作品、嫌いではないな。

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