過去Diary

 疲れてくると、私は無性に「川」を見に行きたくなったり、泳ぎたくなったりします。あと、オレンジジュースが飲みたくなります。多分、私は非常に単純で、ナチュラルな人間なのだな、本当は、と思います。
 
 人は、何かの栄養素が欠けると、それを多く含んだものを欲するようになる、と聞いたことがあります。あと、心理学では、「水」は「無意識の世界」の象徴です。心理学は、途中で投げ出してしまった人間なので、あまり確かではありませんが、フロイト流に言うと、水を求めるという願望には、母親の胎内への回帰願望なども、含まれているのかもしれませんね。

  「生命の源」としての「水」の代表格は、「海」だと思います。でも、私は「海」より「川」の方が好きです。
  
 高校生の頃、古典で「方丈記」というものを読んだことをみなさんは覚えていらしゃるでしょうか。「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの川にあらず…」で、始まる随筆です。その文章は、世の中はとどまることを知らない、という「無常観」を表しています。
  
 でも、私は、流れているからこそ、寄せては返す海ではなく、川にひかれます。何か自分の中の澱みや、醜いものを流し去るように。過去は過去であり、もう戻ってはこない、これからは未来を見つめないと、という決意をするように、私はきっと、心が落ち着くまで、川縁に座り込んで、川を見つめ続けます。

 昨日は、四国に行った話をしましたが、高知県にある「四万十川」は、日本一の清流です。ただ、もう、透き通っています。全てをきれいに映し出す。撮った写真を見ると、「線対称」という感じです。でも、今のところその川はきれいですが、近くに工場も建っています。その川は、本当にきれいなので、その工場すら、きれいに映し出していました。
 
 大学1年生の時に、四国出身の、とても温かい人に出会いました。本当は、誰よりも優しいのに、真っ直ぐすぎて、自分を隠すことも、飾ることもできないほど不器用で、結果として、人も自分も傷つけてしまう、そんな風に、私には、その人が見えました。四万十川に行って、その人のことを、懐かしく思い出したりしました。透き通るほど、真っ直ぐに生きたいですね。

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