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よしもとばなな「なんくるない」
2005/4/26 小説レビュー
最近のばななさんの作品はあたたかくていいなぁ。 痛いほど研ぎ澄まされた世界観からあたたかさへ 昔のような痛いほど研ぎ澄まされた世界観はないのだけれど、そういう痛さは、年齢を重ね、自分の視野が広がる ...
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瀬尾まいこ「卵の緒」
表題作「卵の緒」は「坊ちゃん文学賞」を獲った作品。 素敵な感性 高橋源一郎に「僕はすっかりファンになってしまった」と言わせたというだけあり、とてもパワーのある作品だった。 26歳くらいのときに書い ...
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小川洋子 「妖精が舞い下りる夜」
2005/4/20 小説以外
エッセイ集。 デビュー~初の長編連載頃 12年ぐらい前に出たもので、このエッセイを書いているときの小川さんはちょうど今の私と同じぐらいの年齢ということになる。 小川さんは26才でデビューして、28才で ...
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市川拓司「恋愛写真―もうひとつの物語」
この間、映画の「映画「恋愛寫眞」」を見たのだけれど、いいところもあるのに、どうしてこうなっちゃったのだろう、というもどかしさを覚えた。 そして、同じように「恋愛写真」という映画を見て、そこからイメージ ...
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川上弘美「おめでとう」
川上弘美のイメージは「蛇を踏む」だったので、そのあらすじだけ聞き、作品を読む前からちょっと敬遠してしまっていた。 でも、最近ネット上で知り合った人が川上弘美をとても好きみたいで、その話を聞いていて、興 ...
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「春、バーニーズで」吉田修一
2005/4/5 小説レビュー
吉田修一の本は4冊目。う~ん、上手いなぁと思う。 心温まるいい話 この本は、「贈り物にも最適」とどこかに紹介されていたが、心温まるいい話だと思う。 あぁ、こういう夫婦っていいなぁと思える感じ。 時々ち ...
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小川洋子 「偶然の祝福」
小川さんの作品は「中編」くらいが一番好きかも。「短編」は短すぎる気がする。 でも、この短編集は良かった。小川さんにしてはちょっと心温まる作品が集まっていて。 特にこれは主人公が「小説家」だし、「え ...
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江國香織 「間宮兄弟」
2005/3/27 小説レビュー
最近、江國さんの本、結構読む。 この作品は、まったくもてない三十過ぎの兄弟の話。 「あぁ、なるほど、これはもてないだろう」と説得力のある男二人が主人公。 「女なんていらない」と言いながらも、やはり ...
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「幸福な食卓」瀬尾まいこ
瀬尾さんは本当に才能があると思う。 一見軽やかな奥に存在している文学的テーマ 表面的にはさらっとしていて、楽しく、すらすら読めてしまう。文章も内容も分かりやすい。 でも、「なるほど、なるほど」「へ ...
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「真夜中の五分前」本多孝好
1年半ぶりの新刊というが、本当に本多さんは書く量が少ない。 多分、働きながら書いている人なのだろうな。 出せばかなり売れるだろうし、ということは依頼も多いだろうけれど、それでもこのペースを守っていると ...