演劇

パキラ稽古 14日目

芝居稽古11時~14時半
ダンス振り入れ14時半~17時半 
 
11時に稽古場に行くと、
すでにHappyさんが
女王・従者4人と
「台詞がなく、心の繋がりだけで
 シーンを見せる」
稽古をしている。
 
台詞がなくても、
いや、ないからこそ、
みんなただ関係性を構築することに
意識を向けていて、
伝わってくるものがたくさんあった。
 
千夏ちゃんが、
いい芝居は沈黙のあいだに
10個くらいの台詞が聴こえる
みたいに言っていたけれど、
「え? 何も言葉発していなかったっけ?」と
思ってしまうほど、
色々なことが伝わった。
 
 
大学時代に劇団でたまに
エチュード(即興劇)を
することがあり、
私はすごく苦手意識があった。
 
でもそれは、当時はみんなが
「どうやって自分が目立つか」の
戦いの意識で臨んでいて、
自分はそんな目立ったことはできないと
心がきゅっと閉じていたから
体も固まり、頭も真っ白になって
しまっていたんだなと思う。
 
こんな意識でエチュードしていたら、
私も芝居を嫌いにならなかったかも
しれない。
 
 
そのあと
mai先生 @mai.h.stella の
バレエ基礎レッスン。
 
やっぱりmai先生の
指導の元でストレッチすると
体の緩み方が違う。
 
少し前、Happyさんが千夏ちゃんに
「疲れるのは体に力が入っているから」と
指摘していたけれど、
まさにそうなんだろうな、と思う。
 
大分緩んではきたけれど、
「ちゃんと見なきゃ」
「ちゃんと気づかなきゃ」
みたいに思うと
少しずつ力が入っていくな。
 
もっと取りに行かずに
自分の正位置で受け取れるようにしたい。
 
 
瞑想。
そして、翠・碧の出会いシーン。
 
 
昨日ウィリアムに教わったように
繋がりを意識して
やりとりをしてみるけれど、
まだ何かちょっとぎこちない。
 
今日もウィリアムは
 
「戦闘機という言葉が入ってこない。
それは言っている碧が頭の中に
戦闘機を思い描いていないから」
 
「戦争で両親が亡くなったと聞いたあとの
翠の返しが弱い。
翠の両親はどうやって亡くなったの?
碧の話を聴きながら、それを思い出してみて」
 
など、的確なアドバイス。
 
ウィリアムの言葉をきっかけに、
私もどんな思いでこの台詞を
書いたのだろうと振り返り、
少しずつ思い出していく。
 
 
二人の意識が繋がっていくと、
場の空気が満たされる。
 
緊張感というとちょっと違うのだけど、
場の隅々まで、二人の意識が届いて
張り巡らされている感じ。
 
今まで、人の演技を見ていて、
何か足りないと感じたときは
「動き」が足りないのだと思っていた。
 
でも、違うね。
 
足りないのは、意識だ。
意識が作り出す、適度の緊張感の糸。
 
意識が繋がれば、
動きも自然に出るし、
無理に動かなくても、
むしろ存在に説得力が出る。
 
 
それだけで大きな気づき
だったのだけれど、
ウィリアムは今度はHappyさんに
戻り、鋭い指摘をする。
 
 
「(碧役の)このみちゃんは、
 アドバイスをもらったときの
 “分かりました”の返しが早い。
 
 それに、“子供の頃から、
 こうだったんですよね”とか、
 すぐに口を挟む。
 
 それは守りの反応だと思う。
 
 誰もこのみちゃんを否定するために
 意見を言っているわけではないし、
 それはこのみちゃんも分かっているはず。
 
 でも、昔からの習性で、
 まだ防御の姿勢がなくならない。
 
 否定されたら、反論しなきゃ、
 自分の正当性を訴えなきゃと、
 心の中で戦っている」
 
 
そこでみんな、
「確かにこのみちゃんは
 よくしゃべるな、と思っていた」
と言う。
 
するとHappyさん
「本当におしゃべりが好きで、
 もっと話している人もいる。
 
 でも、自分を正当化しようという
 無意識の想いから発せられた言葉の音は
 みんな敏感に感じ取るから、
 それで“あれ、この人よくしゃべるな”と
 違和感を感じさせている」
 
深い!
 
 
今日はこの後、
 
「みんな、ありのままの
 このみちゃんが好きだよ。
 
 全部受け取って大丈夫だから。
 
 まずは何も言わないで、
 外からの言葉を受け取ってみて」
 
というHappyさんの言葉を
このみちゃんはじっくり受け取った。
 
 
そのあとの
翠・碧シーンは本当に良かった。
 
無駄な動きが減り、
ただ立ち尽くす時間が長くなったけれど、
舞台の密度がすごく濃くなった。
 
 
パキラの終盤、
碧が翠に
「君の心のなかの戦争が終わった」と
いう台詞がある。
 
まさに、
このみちゃんの「心のなかの戦争」が
終わったのを感じ、
役者皆でうるうるして終わった。
 
 
パキラはきっとこの後も、
たくさんの人の「心のなかの戦争」を
終わらせていくだろう。
 
 
私自身も、
以前は盾も剣も、矢も鉄砲も
すべて持って武装していたけれど、
随分取れた。
 
でもまだ、盾は持っているなと
自覚している。
 
パキラ終演までに
盾も捨てられたらいい。

-演劇
-,

© 2021 凪 Powered by AFFINGER5